ぎっくり腰になったら、絶対安静って当たり前ですよね。
そもそも動けない位痛くなる場合が多いのですから一週間は寝たきりという場合もあるでしょう。
でも、その考え方ってもう時代遅れだってご存知ですか?
最近のぎっくり腰への対処法は積極的に運動する方が早く良くなると考えられているのです。
例えば、海外で腰痛に関するこんな調査が行われました。
ぎっくり腰の患者を3つに分けます。
「2日間絶対安静」を指示したグループと、理学療法士が指導して
「指導した通りの運動を10回1セット行う」グループ、「なるべく普段通りの生活を心がける」よう指示したグループで早く良くなるグループはどれか調査しました。
すると、一番治りが早かったのは「普段通りの生活」をしていたグループでした。
次は「ある運動を1セット」行ったグループで、最も治りが悪かったのは「安静」にしていたグループだったのです。
更に、動かないようにするとかえって再発する確率は3倍にも跳ね上がってしまうという調査結果も出てきました。
では、なぜ動かないことが逆効果になってしまうのでしょうか?
体を動かさないとはつまり、筋肉の柔軟性が損なわれてしまいます。
筋肉が炎症を起こして痛みが出てしまいますが、炎症は2日程度で軽減され始めます。
炎症が治まってきても動かない生活をしていると筋肉が凝り固まってしまう、また腰痛が発症しやすい体になるという悪循環になるということなのです。
ぎっくり腰にとって良くないことは「血行不良」「筋肉の弱化」です。
適度な運動で腰周りの筋肉に刺激を入れて血流を良くしていこうというのが、元気な腰をつくるための近道なのでしょう。
それでも、一度痛みを感じると動かすことが怖くなってしまいますよね。
ポイントは、動かない期間と動かし始める期間をしっかり把握することです。
まず、知っておきたいことは「筋肉の炎症は2日程度でおさまってくる」ということ。
発症した日と次の日までは楽な姿勢で、湿布などを使って炎症を抑えることに注力しましょう。
そして、できるだけ普段通りの生活を始めることからスタート。
「また痛くなるかな」「まだまだ寝ていた方が良いに決まってる」と決めつけて筋肉を凝り固まらせてしまうのはNGです。
もちろん、いきなり動かすのは怖いですよね。
例えば、仰向けになって足首を前後に動かしてみる。
膝を立てて、左右に動かしてみることからやってみて「お、ちょっと動くぞ」と実感してからでOK。
ハイハイして動いてみたり、ゆっくり立ち上がってみて動ける範囲を把握していきましょう。
動けるようになったら一度病院で検査をしてみることもおすすめしますが、「ぎっくり腰は絶対安静」という考えは鵜呑みにしない方が良いです。
痛みが完全にひいてからも、日ごろからストレッチなどを行って再発しないように努めましょう。